暴君南極越冬隊・3




「ああ、ちきしょーさみーなあ。フグのひれ酒でもきゅーっと飲みたいぜ」

「え?フグっ」

「ああ?何だよ、フグがどうしたよ」

「先輩フグ好きなんですか?」

「おう。あれはいいぞ。なんだよ、そんな驚いた顔して。おまえ嫌いか?」

「いえ、俺もアレ大好きです!あの痺れ具合がなんとも癖に・・・ハアハア」

「は?痺れ・・・っておまえそれヤバイんじゃ・・・」

「や、ヤバクなんか無いですよっ、はっ」

「痺れるってそれ毒だろ」

「いや電池・・・って、違っ何でも無いですっ!」

「おい森永よく聞け。あれは素人が調理したらマジでヤバイんだからな?そういやおまえ最近よく釣りに行ってるらしいな。釣れても勝手に食うんじゃねえぞ?」

「いや俺が行ってるのはアザラシ漁ですから。ってか痺れフグなんてそんなグッズ持ってはいませ・・・」

「なんか怪しい。ちょっとガサ入れさせてもらうぞ」

「止めて下さい!これ以上俺の秘密のお宝グッズを漁るのは・・・これってなかなか手に入らない貴重品なんですよっ!オクで大枚はたいて・・・ってだめっ!キャーっ!」

「・・・やっぱりおまえフグ飼ってるんじゃねえかよ!生き物持込禁止だろ!?これは没収だ!俺が預かっとく!」

「・・・え?それ生きてはいないってか・・・没収して・・・使うの?先輩・・・あっ」

「おまえまた鼻血かよ!しかもすっげえ出てるぞ!早く医務室行け!」

「・・・俺の血の気が収まらないのは全部先輩のせいです・・・うわあん、フグなんかじゃなくて俺を使ってー!」

つづく

イラスト・いの画伯
注・食べられません





(2011/9/18)

につづく

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