「ああ、ちきしょーさみーなあ。フグのひれ酒でもきゅーっと飲みたいぜ」
「え?フグっ」
「ああ?何だよ、フグがどうしたよ」
「先輩フグ好きなんですか?」
「おう。あれはいいぞ。なんだよ、そんな驚いた顔して。おまえ嫌いか?」
「いえ、俺もアレ大好きです!あの痺れ具合がなんとも癖に・・・ハアハア」
「は?痺れ・・・っておまえそれヤバイんじゃ・・・」
「や、ヤバクなんか無いですよっ、はっ」
「痺れるってそれ毒だろ」
「いや電池・・・って、違っ何でも無いですっ!」
「おい森永よく聞け。あれは素人が調理したらマジでヤバイんだからな?そういやおまえ最近よく釣りに行ってるらしいな。釣れても勝手に食うんじゃねえぞ?」
「いや俺が行ってるのはアザラシ漁ですから。ってか痺れフグなんてそんなグッズ持ってはいませ・・・」
「なんか怪しい。ちょっとガサ入れさせてもらうぞ」
「止めて下さい!これ以上俺の秘密のお宝グッズを漁るのは・・・これってなかなか手に入らない貴重品なんですよっ!オクで大枚はたいて・・・ってだめっ!キャーっ!」
「・・・やっぱりおまえフグ飼ってるんじゃねえかよ!生き物持込禁止だろ!?これは没収だ!俺が預かっとく!」
「・・・え?それ生きてはいないってか・・・没収して・・・使うの?先輩・・・あっ」
「おまえまた鼻血かよ!しかもすっげえ出てるぞ!早く医務室行け!」
「・・・俺の血の気が収まらないのは全部先輩のせいです・・・うわあん、フグなんかじゃなくて俺を使ってー!」
つづく
イラスト・いの画伯
注・食べられません